2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、スポーツ振興はもちろんのこと、それにとどまらない様々な計画が今、国や自治体によって積極的に進められています。
その多彩な取り組みの中心のひとつが未来を担う子供たちの育成です。
タイムワープMAP・東京 制作委員会では、オリンピック・パラリンピック教育を支える取り組みとして「過去を知り、現在を見つめ、未来を描く」をテーマに、子供たちの育成をめざし、古地図を活用した教育プログラムの実現をご提案いたします。
公共施設や学校、駅舎などの大型ディスプレイを用いてデジタルサイネージ・コンテンツとして活用できます。ネットワークタイプの他にDVDタイプでの提供も可能です。
制作委員会の共通基盤サーバー経由で、「古地図タイルファイル」と基本的な「地理情報データソース」を、APIを通じて提供する仕組みのため、既に別サービスを展開している企業・団体様が、コンテンツの多様化・充実策の一環として、タイムワープMAP・東京の地図データを簡便に活用することができます。
「教育」と「福祉」という公共性の高い2つの分野での、タイムワープMAP・東京の利用促進と認知度向上を図るためタイムワープMAP・東京 制作委員会はタイムワープMAP・東京のデータを活用した2つのアプリケーションを独自に開発しました。
小中学校における「地域総合学習」への活用を図るためのクラウド型の学習用グループウェアです。
いま小中学校ではタブレット端末を使った2020年の東京オリンピック・パラリンピック教育が進められています。「タイムワープMAP・東京」を活用し、自分たちの暮らす街や地域へ飛び出し、その土地の過去や現在の姿やお年寄りからの情報を聞き取りタブレットに記録、それらの結果を教室で共有する地域学習に活用します。こうした授業を毎年繰り返すことで、街の変貌を長年記録し続ける貴重な独自の地域MAPを、生徒たち自らの手で新たに創り出すことができます。
高齢者が、それぞれの記憶している街の姿を復元しながら、「回想地図」に纏めるクラウド型のグループウェアとして利用できます。
「回想法」とは1960年代に精神科医ロバート・バトラー氏が提唱した心理療法で、過去の懐かしい思い出をグループで話し合うことで精神状態を安定させ、これを長く続けることで認知機能の低下を遅らせていくことが期待されているものです。1964年の東京オリンピック・パラリンピックの頃、中学生・高校生だった人々が揃って70代を迎えた昨今、1962年MAPは正にこの「回想法」に最適なMAPと言うことができるでしょう。
「タイムワープMAP・東京」は、階層化された3つの時代の地図データと、それを楽しむためのマッピングウェアがついた、シンプルなプラットフォームです。
現代から1964年東京オリンピック前夜(1962年ごろ)へ、現代から幕末嘉永年間(1850年ごろ)の江戸の町へ。タイムワープMAP・東京は、現代と二つの時代をそれぞれ同一の画面上に表示して、街の痕跡や変化を地図上で知ることができるこれまでにないデジタルマップです。
町割りや道幅など、昔の地図と現代地図の整合性をとるために、測量技術の進んでいなかった時代の歪んだ地図を、たとえばアメリカ軍の撮影した航空写真などを元に補正などをおこないました。これは、タイムワープMAP・東京 制作委員会に加わっている地図製作会社の持つ高度な技術と経験に基づくものです。また、当時の街の姿を再現するため、「東京都全住宅案内地図」や商店街の案内図等のさまざまな文献からの地物情報などを地図上に落とし込んでいます。
こうしたタイムワープMAP・東京の地図上の情報は、様々な利用目的に柔軟に対応できるよう、「情報の階層化と追加削除機能」「オーサリングのための多様なアウトプット対応」が施されています。
タイムワープMAP・東京を活用するユーザーが利用しやすい形でご提供することができます。
現代(2017年)と、先のオリンピックで開発が進行中のころ(1962年)、さらに江戸時代。3つの時代の地図を表示して、街の変化を比較しながら楽しむことができます。
(右)現在の渋谷駅周辺。(左)1962年ごろ。渋谷駅から東へ延びる「六本木通り」が1964年東京オリンピック・パラリンピックの頃までは、途中で途切れていたことがわかります。
中央のボーダーを左右にスライドすることで、1962年ごろ(左)から現代(右)へ移動することができます。
タイムワープMAP・東京では、どちらの時代の地図も拡大縮小して見ることができます。
地図上の気になったポイントで、メモの入力や写真の掲載ができます。メモは手書きで書きこむこともできます。
「タイムワープMAP・東京 制作委員会」とは、東新紙業株式会社(こちずライブラリ)、株式会社地理情報開発、株式会社コギト、株式会社NHKエンタープライズの4社が発起人となり、東京を手始めに、膨大なくらしや土地の記憶を刻む地図情報を、「街の記憶のプラットフォーム」としてデジタル整備することをめざす団体です。